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西町診療所の秘密

2009.07.10 *Fri
あなたには、消したい記憶はありませんか?

西町診療所の秘密~完全版~ (ドラコミックス 207)西町診療所の秘密~完全版~ (ドラコミックス 207)
(2009/07/03)
高久尚子

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高久先生の10年ほど前に出された本の新装版です。
なので、描き下ろし部分と比べると、ちょっぴり絵が(ラインが?)変わってます。
絵自体が好きな私としては、その違いを見ることも楽しいのですが、今回はそれ以上に気になったのが、記憶の話。

今更ですが、ざっくり言ってしまえば、この話は、人の記憶を消したり戻したりすることが出来る医師・叶川と、ハーフの中学教師・関屋が出会い、互いの過去や現在と向き合いながら恋を育てていく話です。

さすがにザックリしすぎたので、もう少し詳しく言うと……
叶川は、古くは「陰陽師」のようなことを生業としてきた特殊な能力を持つ一族に生まれながら、自分自身は特殊な能力を持たないために、家族の中で疎外感を味わってきました。だからこそ、傷ついた人が持つ辛い記憶を消すことによって、その痛みを取り除くことができると気づいたとき、それこそが自分が生まれてきた意味だと思い、彼らの記憶を操作してきたのだと思います。
でも、そんな叶川の言い分に、関屋は真っ向から反対します。
それは何の解決でもない。ただ、問題から目を背けて逃げているだけだと。
叶川は、そんな関屋に、消したいほど辛い記憶がないのだろう、と言うようなことを言うのですが、実は関屋は育児ノイローゼの母親に虐待されて育った子供でした。
その事実を知ったとき、叶川はその記憶を消すことを提案し、拒否されます。関屋にとってはそんな苦しい記憶さえ大切だからと。
その後のあれやこれやを超えて、二人は互いの考え方の違いを認めた上で、甘々な恋人に。
……と言う話です。

マンガとして見たとき、コマ割に単調なところがあったり、顔マンガになっていたりもしますが、でも、それを補う瑞々しさや、丁寧さがあります。
多分、読んで「×」と思う方は、そんなにはみえないんじゃないでしょうか?

さて、そんな本なのですが、どうしても気になったのが、記憶の話でした。
作中、主人公達の意見も分かれていた記憶操作の可否。
関屋の意見は本当に正論です。
記憶を消してその傷みを忘れることが出来ても、それは、やっぱり現実逃避にしかならないし、どんな記憶であれ自分にとっても相手にとっても、本当は大切な記憶かもしません。
どこかで掛け違えたボタンも、そのままつけたままにしておけば、もしかしたらいつか掛け直せるかもしれないし。
でも…………
それは、その苦く辛い記憶の共有者が、親だったり友達だったり、恋人だったりした場合ですよね。
ストーカー被害とか、昨今の無差別犯罪の被害とかによるトラウマみたいなものだったら、話はかなりその様相を変える気がします。
例えば通り魔に追いかけられた記憶とかだったら、私は消したい。
刃物の冷たい光を見るたびに、恐怖に駆られるような生活は送りたくないです。
だから、叶川が言うように、少しでもその人の負担を軽くできるなら記憶を消してしまうのも有りだと思うのです。
……いえ、そんな犯罪とかに巻き込まれたんじゃなくても、それでも、誰にでも一つや二つぐらいなら、消したい記憶はあるかもしれない。
ただ、それは個々が悩み苦しんで最後に出す結果で、他者が推し量ることではないと思います。
例えば同じような経験をした者でも、その受け止め方は違うのだから、自分がこうだから人も同じ、とは言えないと思うのです。

多分作者もそう考えているからこそ、関屋に、互いの考え方が違っていても良いし大事なことはそんなことじゃないと、言わせたんだと思うんです。
そして、その関屋の一連の答えこそが、作者がこの話で一番伝えたかったんじゃないかと、勝手に解釈してます。
……が、他の方はどう考えるのかな?と、ちょっと興味があります。

白状するなら、私にも一つだけ、忘れられるなら忘れてしまいたい記憶があります。
それは子供だった私が、空回って周りに迷惑をかけた記憶なんですが、私が何故か鮮明に抱えているその記憶を、当時の友人知人関係者達がもうほとんど忘れているらしいと識ったときから、忘れたい記憶になりました。いや、もう、充分反省もしたし、自分との対話もしたし、ね…。

――あなたには、そんな、忘れられるなら忘れたい、消せるなら消してしまいたい記憶はないですか?
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今は無き「青磁ビブロス」が出していた、雑誌化される前の「b-boy」の記念すべき第1巻から読んでいる、筋金入り腐女子です。
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